蕁麻疹

蕁麻疹について

私たちの皮膚の表面には角層(表皮の最も外側の層)があり、外部の刺激物などの侵入から体を守っています。角層の下には表皮と真皮がありますが、真皮には蕁麻疹(じんましん)の原因となるヒスタミンなどを蓄えている肥満細胞(マスト細胞)が存在します。

肥満細胞がなんらかの刺激を受けると、ヒスタミンが放出されます。このヒスタミンが皮膚の毛細血管に作用すると、血液成分が血管外へ漏れ出して皮膚にみみず腫れ、ブツブツ(膨疹:ぼうしん)や赤み(紅斑:こうはん)が生じ、また、皮膚の神経に作用して痒みを生じます。

数分~24時間以内に出来て消えていく場合を蕁麻疹と言います。4週間以内に治るものを急性蕁麻疹、それ以上続くものを慢性蕁麻疹と言います。

 蕁麻疹を起こす刺激・誘因

蕁麻疹の原因は、食べ物や内服薬、細菌やウイルスの感染などさまざまです。検査としては血液検査IgE RAST法(どの物質に対するアレルギーがあるかを調べる検査)、一般血液検査等を行いますが、慢性蕁麻疹では原因が特定出来ないことが少なくありません。
特定の刺激により症状が現れる蕁麻疹の場合は、やはり特定の刺激を避けることが大切です。下記のようなものが刺激になり得ます。

食 品 そば、エビ、カニ、果物、サバ、マグロ、豚肉、タケノコ、もち、香辛料、食品中の防腐剤、人工色素、サリチル酸
薬 剤 抗生物質(ペニシリン、セフェム系など)、解熱鎮痛剤、降圧剤など
物理的刺激 皮膚のこすれ、寒冷、温熱、日光、圧迫など
発 汗 入浴、運動、精神的緊張(冷や汗)など
その他 感染症、疲労、ストレスなど

特定の刺激により症状が現れる蕁麻疹では、特定の刺激を避けることが重要となります。特に誘因もなく症状が現れる蕁麻疹では、薬物治療を行います。

一部の人ではヘリコバクター・ピロリ菌という細菌によって慢性蕁麻疹が生じることがあります。慢性蕁麻疹にかかっている人で、ピロリ菌が感染している場合、ピロリ菌の除菌をすると慢性蕁麻疹が改善、治癒することがあります。治療効果は報告によって異なりますが、慢性じんま疹が完全に治癒(内服薬を使わなくても蕁麻疹が出現しない)した方が20~50%、症状が改善した方が20~40%という結果が出ています。ただし慢性蕁麻疹に対してピロリ菌の検査、除菌をする場合は健康保険の対象ではなく、自費診療になります。当院では慢性蕁麻疹に対して、自費診療でピロリ菌の検査、除菌をしています。除菌の費用は3万円となっています。副作用としては下痢を起こすことがあります。

 薬物治療

原因がはっきりしない蕁麻疹については内服治療を行います。外用薬は基本的には効果がありませんが、かゆみを一時的に抑えたり、二次的に生じた湿疹を治療するために外用薬を使うこともあります。
内服治療は蕁麻疹のもとになるヒスタミンを抑える薬である、抗アレルギー薬の内服が中心となります。状態によって他の薬を組み合わせて治療します。抗アレルギー薬には眠気や集中力の低下を招く薬剤が多く、そういった薬剤は学生や自動車を運転する人には勧められません。当院ではなるべく眠気がなく、かつ効果があるような薬剤を選んで処方しています。

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